京都の美山町にある芦生の森は大正10年から99年の契約で京都大学が演習林
として管理している原生林です。
京都大学では、「植物を学ぶものはこの山に入るべし」と言われたほどの多くの
植物の種が生存する豊かな森です。
原生林=人の手が加わっていない森
この森に、日本の森が置かれている現状を見ようと京都大学から入山を許可
されているガイドの方についていただきクレコスいのちの森倶楽部の会員15名で
行ってきました。
ガイドの鹿取さんは、アースデイの時にもお世話になった江和ランドのスタッフ
でもあります。リュックにお弁当を入れ、熊避けの鈴を鳴らしながら出発です。
熊避けの鈴。
弾むような大きな鈴の音です
今回は一級河川である由良川の最初の一滴が流れ落ちる谷を目指す3時間のハイキン
グコースでした。
普段、森や山を知らない私たちには空気が澄んだ豊かな山に見えました。
紅葉を楽しみ、苔の緑や、小さなキノコに「かわいー」と目を奪われながら歩きました。
苔の上のキノコ 苔の上のかわいい植物?何?
しかし、今この森には多くの異変が起こっている事を散策しながら教えられ、
実際にその光景を目の当たりにしました。
それは鹿害と楢枯れです。
鹿害とは増えすぎた鹿が、貴重な植物を食べてしまい残っているのは毒草ばかりが
目立ちます。下草がなくなると雨で土砂が川に流れこみ川を埋めていくのだそうです。
それが鮎の育たない原因となり、川の栄養も海まで運ばれず生態系全てに影響がでてきます。
この鹿が増えた原因は温暖化の影響があるのだそうです。
かつての美山町の冬は雪深く、小鹿は冬を越えられずに自然淘汰されました。
温暖化で雪が少なくなった森では小鹿が越冬し数が増え続けています。
また、人間の畑まで出てきたりしておいしい食べ物が多く、鹿の発育の良くなった
結果、出産がこれまでは2歳だったものが、1歳から子供を生むようになりそれも
鹿の害に拍車をかけています。
京都大学が鹿避けのネットをはり、植物の再生を試験している場所です。
まだ3年目ですが、ネットをはさんですぐ隣の森(写真右)と明らかに
下草の深さが違います。
その結果、森が痩せ、木々が弱くなりそこに虫がついて木が死んでいくのです。
今、楢枯れというミズナラの木が枯れていく現象が芦生の森全体で進んでいます。
鹿取さんは、ミズナラのどんぐりを育て1メートルくらいの苗木にして山に戻すのだと、
ガイドの間にもどんぐりを拾っていらっしゃいました。
森倶楽部がかかわっている熊森協会さんも同じ運動をしています。
美しい森を歩きながら、その現状に自分たちにできることは何なのか改めて考える
一日になりました。
ひとりでも多くの方に考えていただくきっかけになるよう、森倶楽部の会員さんが
増え、その輪が広がっていく事を願っています。(Y.K)
美しい紅葉。そのすぐそばにある楢枯れの木には、ツキヨダケが寄生しています。